伊勢海老が食べたい

2年前に、肝臓がんが破裂して、総合病院で治療して一命をとりとめた85歳の男性。退院して訪問診療の依頼がありました。予後は3か月とも言われました。

奥さんは、最後だと思い、食べたいものを聞いて、車で一緒に買い出しに行き、サザエやカニを希望され、料理して食べさせていました。
また、うどんを食べに車で小行司のにこにこパークによく行かれました。最後は、うどんはあまり食べられず、汁のみ飲まれた事もあったそうです。

約2年、在宅で一緒に暮らせました。
最後は伊勢海老のリクエストがあり、魚屋さんにお願いすると、立派な伊勢海老が届きました。お刺身を8割たべ、海老の味噌汁も2杯食べたそうです。
次は松茸ご飯が食べたいと言われ、スーパーで国産の松茸を買って、松茸ご飯を食べさせましたが、一口だけしか食べれなかったそうです。

その後、7日後に家族に見守られ、穏やかに逝かれました。
死亡確認に往診した際、サザエに海老に、食べたものを次々言われ、
みんなで泣き笑いのお別れになりました。
奥さんの言葉 「2年間は短かったよ」